夜驚症の子は天才
という言われ方をすることがあります。
夜驚症とは
深い眠りであるノンレム睡眠から
浅い眠りであるレム睡眠の
段階を踏まずに目覚め、
うまく覚醒ができなかった為
恐怖の感情で暴れたり、
大声で叫んだりなどの症状が
現れることを言います。
てんかんの発作と似ていると言われますが、
夜驚症自体は脳の誤作動であり
質の良い睡眠やストレスの発散で、
解決できることがほとんどです。
特に
2〜6歳頃の子供のうちに発症することが多く、
大人になるにつれて
無くなっていくことが多い症状です。
子供の場合は、
脳が未発達であることから
日中の体験や感情の振り幅が、
大きかった日などによく起こります。
夜驚症の症状が出ている最中は、
声かけや体を押さえるなどの制御は
効かないことが多く、
ぶつかっても怪我をしないように
周りのものを片付け、
治まるのを待つというのがよく取られる
手段です。
知らない人からすれば、
一見すると問題行動のようにみられる夜驚症。
それと天才という言葉は
すぐには結びつかないという方も
多いかと思います。
ですが実際に
夜驚症と天才
という評価が
1人の人間の中に両立することは
よくある事なんです。
それは一体なぜなのでしょうか?
この記事では
夜驚症の原因と、
考えられているストレスに対して
夜驚症が起こる人と起こらない人での
捉え方の差についてや
天才と呼ばれるが故の苦悩と合わせて、
夜驚症についてお教えします。
夜驚症に対して、
日中の生活に支障がある家族や、
ご近所の方に騒音として届いてしまい、
何とかして無くしたいといったように・・・
今、解決したいと考えているのであれば
精神科や睡眠外来といった看板を
掲げているクリニック、
お子さんであればかかりつけの
小児科などに相談するのが
いちばんの解決方法です。
ぜひ専門家に
相談するということも選択肢に入れて、
穏やかに解決できる方法を
探ってみてくださいね。
もしよろしければ
こちらの記事も参考にして頂けると幸いです。
↓ ↓ ↓
夜驚症の原因は「気づきすぎる」ことのストレス?理解力が上がることで解決することも。
「繊細」と「鈍感」
繊細であるというのは
見た目や体の線の細さではなく、
色々な事に気づきすぎてしまう事を
言います。
他の人には刺激ではない事が
耐えられない刺激であり、
夜、制御が緩んだ脳で爆発して、
夜驚症になるのでは?
という考え方もあります。
小さな子供では知識や経験も少なく、
感じた恐怖の先の見通しが
つかない事もありますよね。
敏感な子にはそれもまた
恐怖なのではないのでしょうか?
「怖さ」が頭に残り続けているのって
結構ストレスだと思います。
恐怖とストレスは、
一見すると結びつきにくいものです。
ですが、
子供の考えることの中で
「恐怖」はかなり大部分を占めるもの。
大人でも大事な仕事の
あれこれを考えながら
眠りにつくのは難しいし、
すっきり眠る事はできないですよね?
そういったものと同じ事だと考えれば、
夜驚症が子供に多く見られるのも
理解できます。
私の娘も
比較的細かい所に気がつくタイプの子です。
気になると理解するまで
納得できない性格で、
未知のものには人一倍怖がります。
そんな娘は3歳ごろ、
今考えると夜驚症とも思えるような
夜泣きがよくありました。
起こる際、大抵は、大きな心の変化、
特に恐怖を感じた日でした。
比較的性格が似ている私には
そこに恐怖を感じることに関しては
理解できる視点でした。
3歳という年齢も
夜驚症になりやすいポイントであります。
まだなんにも怖いもんなしの2歳と
論理的な理解ができ完璧ではないとはいえ、
社会的な常識も理解し始めた4、5歳、
その間の3歳は
未知に対して恐怖を感じながらも
その恐怖心を親に説明したり
状況の説明や見通しの説明を受けても
その説明を理解する能力もまだ足りません。
そういったところも
夜驚症のようになった原因なのでは
ないでしょうか。
5歳を過ぎた今では
夜寝る時に不安になっていることを
自ら言葉にして説明に納得すれば
安心して眠る事ができるようになりました。
まだ5歳では
理解できない事もたくさんありますが、
現在の娘が怖がっている事は、
私が今では克服できている事ばかりなので、
長い目で見守っていく予定です。
夜驚症の繊細さは発達障害であることも。個性と発達障害の境目は入り組んでいます。
「鈍感力」と言う言葉は
ご存知でしょうか?
鈍感であるというと
ダメな事のようにも聞こえますが、
おおらかに
もし壁にぶち当たっても落ち込み過ぎず、
切り替えてすぐに対応できると言うのは
実はすごい事だと思います。
繊細である事の辛さは
繊細であるが故に
深く考えに囚われ過ぎてしまう所です。
気になり過ぎてしまうからこそ
うまく切り替えて、
良い気持ちにしてから眠りにつくと
いう事ができないのです。
繊細であるからいい!
鈍感であるからいい!とは
一概には言えないものですが、
鈍感であるからこそ
うまく切り替えて進んでいける
と言う事もあるのではないでしょうか。
夜驚症=繊細=天才
が必ずしも結びつく訳ではありません。
夜驚症があったのに
「今では凡人だよ」と
笑って仰る方もいます。
夜驚症だから、
繊細さがあるからといって
天才であると言えないのには
他の個性と同じように、
どんな特性にも程度の差があるからです。
個性と呼べる程度の問題から
日常生活に辛さを感じてしまうような
繊細さを持つ人もいます。
その差は、
遺伝子の何かが違うといったような
決定的なものではなく、
グラデーションのように
少しずつ濃さの違うもので、
その濃淡の差で場合によっては
発達障害やグレーゾーンという診断を
受ける事もあります。
濃淡の差は
繊細という方向に向かうだけではなく、
逆に極端に鈍感という方向に
向かうこともあります。
そういった差の中で
たまたま繊細さが特出していて、
たまたま特別興味を持ったものが
伝統工芸であったりピアノであったりして、
たまたまその興味が薄れる事なく
ずっと継続するとそれは天才になります。
先ほどお話した娘は夜驚症も
それほど大変ではありませんでしたし、
興味の矛先もコロコロ変わって
天才と呼ばれるほどの才能はありませんが、
音程やリズム感は同い年の中では良い方ですし、
ちょっとした味や匂いの変化に敏感です。
こうした敏感さ、繊細さの
強すぎる、強い、普通、あまり気にしない、
全く気にしないという度合いの差が
夜驚症が出るか出ないかの差に
つながっているのだと思います。
そして
強く出る方はその反応に苦労しながらも
繊細さが良い方向に働く分野が敏感で
細やかに繊細に取り組み続けているからこそ
天才と呼ばれるのではないでしょうか。
天才と呼ばれるが故の苦悩も。現代ならもっと評価されていたであろう人物も。
ガリレオ・ガリレイやゴッホ
日本では宮沢賢治など
歴史上天才と言われる人物は、
後世に語り継がれるような
素晴らしい作品や逸話を残しながらも
この世に生きているその間は
その繊細さが故の苦労があったり、
称賛とは真逆の批判や陰口に
晒されてきました。
決して穏やかに過ごせていたとは言えません。
彼らが夜驚症であったと言うような話は
残ってはいませんが、
問題行動の多い子供時代のエピソードなどは
よく耳にしますよね???
「天才」と
苦悩や異質に思われる部分は
しばしば両立して起こります。
特製である「気にしすぎる」という事が
悪目立ちしてしまった結果が夜驚症。
称賛された結果が天才。
なのではないでしょうか?
天才であるからといって
良い事ばかりではないのです。
天才であるが故の苦悩、
なんて言葉はよく耳にしますが
まさしく夜驚症は
その苦悩の一つであると思います。
天才と聞くと
「いいなー」と思ってしまいますが、
そうした側面もあると
心の片隅に入れておけば
心に余裕が生まれますよ(^^)