夜驚症は寝る起きるという機能が、
発達していくにつれてなくなっていくもの。
子供によって
夜驚症に出るか出ないかは異なるものの
成長過程の一つと言ってもいいでしょう。
でも
毎日となるとサポートする親の負担は
想像以上になります。
小さいうちは兄弟で寝ていることも多いので
そちらの睡眠の質は守ってあげたいものです。
この記事では
夜驚症を起こさないためにできる限りの対応
親や兄弟姉妹の負担を減らすためにできること
についてお教えします。
夜驚症の原因かも?治療法は時間と生活リズム。
夜驚症は
小さな子供が夜寝ている間に
突然泣き出したり駆け回ったりと言った
パニック状態に陥ることを言います。
いわゆる夜泣きもこれに含まれます。
ただし
そのパニック状態によって
本人や家族の日常生活に悪い影響がなければ
病名がつくことはありません。
夜泣きは赤ちゃんや幼稚園児くらいの
小さな子供によく見られますが
大きくなるにつれ
あまり聞かなくなりますよね。
夜驚症と呼ばれるような
激しいパニック状態に陥るものも
成長するにつれだんだんと
治まっていくことがほとんどなんです。
とはいえ
本来静かに横になって休むべき時間を
激しく動き回ったり泣き叫んだりしていると
十分な休息が取れていないのではと心配です。
夜驚症の症状が出ている間は
体は起きていても脳は寝ている状態なので
周りの様子や親の声は認識できません。
そんな状態で動き回るのは
転んだりけがをしたりといったことも
考えられます。
いくら病気ではないからといって
パニック状態に陥った子供を
無視するわけにはいかないですよね。
夜驚症は病気ではありませんが
病院で診察を受けることはできます。
まれに
てんかんなどの病気が
隠れていることもあるので
そうした他の病気の可能性を
排除するためにも受診するのが安心です。
夜驚症にも診断基準があり
・症状は1~10分程度で治まる
・症状は睡眠の前半1/3に多くみられる
・パニック時に声をかけても覚醒しない
・覚醒後、
本人はパニックのことをおぼえていない
といった条件を満たせば
夜驚症という診断がなされます。
診断が下りれば普通の病気であれば
薬を飲んだりといった治療になりますが
夜驚症では
薬による治療はまれです。
成長に伴って落ち着いていく
というのはもちろんですが
日中の生活リズムを整えることによって
パニックのレベルが小さくなったり
頻度が少なくなったりといった効果が
出ることが期待できるからです。
夜驚症の原因は
まだはっきりとは解明されていません。
しかし
日中の生活の中で大きな刺激があったり
睡眠リズムが乱れたりすることが
原因の一部とされています。
いくら楽しそうにしていても
刺激が強すぎると
夜驚症として出ることもありますし
同じ刺激でも
寝る直前のものの方が影響が
出やすくなります。
そのため
こうした原因となりうる行動を控えながら
症状が治まるのを待つのが
夜驚症の主な治療法になっているのです。
その上で、カウンセリングや
一時的な抗不安薬の投薬など
いわゆる治療というものが
行われることもあります。
いずれにせよ
診断も治療もカウンセリングも
医師の診察が必要です。
風邪などではなくこうした心の問題でも
まずはかかりつけの小児科に
相談で問題ありません。
必要があれば児童精神科や心療内科など
より専門的な病院を紹介してもらえます。
夜驚症の治療には時間が必要。家族の負担を減らしながら付き合っていく方法。
無意識で行ってきた生活習慣の中に
原因となりうることがないかどうか
ひとつひとつ確認したり
まだ幼く気持ちを言葉にできない子供が
無意識に不安を抱えていないかどうか
カウンセリングしたりと
夜驚症の治療には
長い時間がかかります。
その間も夜驚症のパニックは
続くことが多いのです。
本人の睡眠不足はもちろん
見守る親や起こされてしまう家族の疲労も
無視できるものではありません。
いくら病気ではないとはいえ
いずれ落ち着いていくものとはいえ
できる限り落ち着いて
向き合っていきたいですよね。
ここでは
向き合う親や兄弟などの
家族の負担を減らしながら
安全に夜驚症の子供に
向き合う工夫について見ていきます。
[日常生活を守りながら
夜驚症に付き合う方法]
・布団生活をする
最近は大きなベットの選択肢も増え
小さな子がいても
キングサイズのベットで家族みんなで就寝
といった家庭も多くなってきました。
子供の寝相の悪さだけなら
大きなベットでカバーできるかもしれません。
でも夜驚症の立ち歩きは
ベットの広さや柵を
取り付けたくらいでは対応できないのです。
夜驚症の症状が出ている最中は
目をつぶって歩いているのと同じです。
ベットの端は認識していません。
柵があったとしても
ベットの上に立ち上がってしまえば
せいぜい膝の高さくらいでしょう。
しっかり覚醒していれば
子供でも落ちそうになれば
反射的に受け身の体勢を取れます。
でも
脳が寝ている状態では
全く防御がない状態で落ちてしまうのです。
夜驚症の子供が寝る部屋は布団
しかも分厚いマットレスなどは
使わないようにすると安心ですね。
・寝室に何も置かない
夜驚症の症状が出ている間は
脳は寝ている状態です。
目を開いていても
その映像は認識されていませんから
見えていないのと同じなのです。
そんな状態で動き回るのは
とても危険ですよね。
我が家の寝室では家具はもちろん
掛け布団さえほとんど置かずに寝ています。
ぶつかって怪我をしたり
ものが落ちたりする可能性がある家具は
おけません。
目覚まし時計やメガネは
子供の頭の高さより上に取り付けた
棚に置いています。
ふわふわで一見安全そうに見える掛け布団も
歩き回ると足が引っかかってしまい危険です。
エアコンで室温を一定に保っておけば
冬でもスリーパー1枚だけで大丈夫です。
朝方かけてあげるようの掛け布団や
大人用のものが必要なら
畳んで端にに寄せておくと安心です。
・寝室を分ける
兄弟姉妹など他の家族の寝室を分けておくと
泣き声や叫び声で起こさなくてすみますね。
立ち歩いたり動き回る場合も
踏まれて痛い思いをしたり
夜驚症の症状が出ている本人も
つまずいて怪我をしたりする心配が
なくなります。
お父さんとお母さん2人で対応できる場合は
1日おきに
夜驚症の子供の担当を交代することで
負担を減らすこともできます。
・睡眠時間をずらす
夜驚症はほとんどの場合
寝付いてから1〜3時間の間に
1度だけ起こります。
赤ちゃんの授乳のように
夜中に何度も起きることはありません。
ですから
子供の寝かしつけの時間を早くすることで
夜驚症の症状が出る時間帯も
早くなる可能性があるのです。
例えば
もともと夜9時に布団に入り
寝付くのが9時半ごろ
夜驚症の症状が出るのが夜中の
12時半ごろの子がいるとします。
その子の布団に入る時間を夜7時半にして
8時までに寝付くようにすれば
夜驚症の症状が出る時間帯が
11時になると考えられます。
夜の11時といえば
大人ならまだ起きていてもいい時間です。
寝付いてから起こされるよりは
体力の消耗も少なくなります。
そのぶん朝も
早く起きてしまうかと思いますが
途中で一度覚醒するより
まとめて睡眠とれる方が
スッキリ起きられますよ。
元々の生活リズムをずらすのは
なかなか難しいものですが
少しだけ
子供の生活リズムを前倒ししても
良いかもしれないですよ。
発達と共に落ち着くもの。見守りましょう。
夜驚症の症状が出ている間は
この世の終わりのような泣き声や息遣い
恐怖で引きつった表情など
とても心配になりますよね。
でも本人は全く覚えておらず
10分程度のパニック症状では
そこまでの睡眠不足にもなりません。
日中はごくごく普通に
過ごせることが多いのです。
その日中にこそ
しっかり子供と向き合えるように
夜驚症の対応する親は
少しでも力を抜いて体力を温存できるように
環境を整えていけるといいですね。