口内炎には梅干しが効く!
というのはよく聞きます。
確かに梅干しは昔から痛むのを防ぐため
お弁当に入れられていますし
なんとなく”清潔”なイメージがあります。
でも同時に
すっぱい梅干しは口内炎にはしみて
とても食べたいとは思えませんよね?
梅干しは
本当に口内炎には効果があるのでしょうか?
この記事では
「口内炎には梅干しが効く」と言われる根拠と
口内炎を治す極意について
見ていきたいと思います。
病院に行くほどではない
と思うようなイメージがある口内炎ですが
中には重大な病気のサインのものもあります。
口内炎の原因によっては
薬による治療が適切なものもあります。
10日から2週間を目安に
なかなか治らない口内炎は
早めに病院に行ってくださいね。
口内炎は耳鼻咽喉科や歯科医院で
相談することができますよ。
口内炎で期待される梅干しの効果とは?古の知恵は現代にも通用する?
そもそもなぜ
梅干しは”腐りにくくする“といったような
効果があると謳われるように
なったのでしょうか?
実は日本初の医学書
平安中期に書かれた「医心方」には
既に梅干しの効能が記されています。
“菌”という概念のない時代ですが
生活の知恵として既に
「梅干しが入っていた方が病になりにくい」
という事は分かっていたのですね。
現代科学で説明すると梅干しには実際に
どのような効果効能が
期待できるのでしょうか?
梅干しの中で抗菌や殺菌に効果があるのは
クエン酸とカテキン酸です。
これは試験管の中の実験でも
はっきりと結果が出ています。
梅干しと病原性大腸菌O-157を試験管に入れ
温かいところで放置すると
梅干しを入れていないものに比べて
圧倒的に菌の繁殖が抑えられていたのです。
しかしこの効果は限定的です。
梅干しに触れているところでしか
発揮されません。
実は古くから伝わる
「梅干が入っていた方が病になりにくい」
という現象は食して初めて発揮される
”胃の働き”によるものなのです。
健康な胃は病原菌が入ってきても
強い胃酸や胆汁液の殺菌作用で
ほとんどの菌を殺菌してしまいます。
ですが
胃が弱っている時はこうした効果が
十分に発揮されず胃での殺菌が
追いつかないこともあるのです。
そんな時梅干しを食べると
クエン酸やカテキン酸が
胃液や胆汁液の働きを助け
本来の殺菌力に戻すことができます。
またこれらの効果は、昔ながらの
塩分の濃いすっぱい梅干しでのみ
発揮されます。
蜂蜜などの入った食べやすい梅干しは
あまりその効果を期待することはできません。
つまり
”口内炎に梅干が効く”というのは
患部に留まらせることができない限り
あまり期待はできないのです。
自然のもので治していくというのは
理想的ではありますが
なかなかピンポイントでこれに効く!
というのは難しいですね。
口内炎の効果的な治し方!梅干しで体を整えて口内炎が治りやすい環境作りを。
では
痛い口内炎をなるべく早く治すためには
どんなことができるのでしょうか?
口内炎の原因にはいくつかあります。
免疫力の低下やビタミンB不足で発生する
アフタ性口内炎
ヘルペス細菌やカンジダという
カビの一種が口の中で増えることで発生する
細菌性・ウイルス性口内炎
火傷や歯で噛んでしまうことが原因の
カタル性口内炎
このうち細菌性・ウイルス性口内炎は
唾液によって人にうつしてしまう事も
あるものです。
また
一旦治ったように見えても
抵抗力が弱まると再発する可能性もあるので
病院での適切な治療が必要になります。
アフタ性口内炎とカタル性口内炎は
必ずしも病院に行く必要はないものですが
どのタイプの口内炎なのか
判断するのは難しいですよね?
中には全く別の病気が
隠れていることもあるので
なかなか治らない場合は
どんなタイプであっても病院に
行くことをおすすめします。
ではなるべく自然に
直していく方法を見ていきましょう。
[自分でできること]
・しっかり休む
口内炎は疲れのサイン
また疲れて免疫力が
落ちていることで
できてしまうこともあります。
治すということはもちろんですが
またできてしまうことを防ぐためにも
十分な休息を取ることが大切です。
・こまめな歯磨きやうがい
口の中は歯磨きの直後から
どんどん細菌が増えていきます。
口内炎のある口の中に細菌があるのは
傷口に塩を塗るようなものです。
毎食後の歯磨き以外にも
こまめなうがいなど
なるべく清潔に保っておきたいですね。
・胃に優しくビタミンBを
多く含んだ食事
口内炎には胃が弱ることによって
できるものもあります。
胃に優しく刺激の少ない食事は
口内炎の患部にも優しく
痛い思いをしなくて済みます。
こういった目的であれば
梅干しを食べることも
口内炎に効く!
と言えるかもしれませんね。
また
ビタミンBには免疫機能を保つ働きや
ストレスの緩和などの働きがあります。
そればかり食べて全体のバランスが
崩れるのはダメですが
意識して取りたいですね。
[市販のお薬]
ひとまず痛みを抑えなければ
食事や睡眠などにも支障が出てきます。
そうした一時的な治療には
ドラッグストアなどで買うことのできる
市販薬を使うことも選択肢の一つです。
あくまで
なかなか治らなければちゃんと病院に行く
という前提でなら
使ってみる価値はありそうですね。
・貼り薬、塗り薬
直接口内炎につけることができるので
早く効果を感じることができます。
ステロイド配合のものなら
炎症を鎮めることができますし
局所麻酔配合のものなら
一時的に痛みを和らげる効果もあります。
どちらも患部に留まらせることが大切です。
・飲み薬
口内炎専用というものはあまりありませんが
ビタミンBの補充や
胃腸の乱れを整えるものなどは
口内炎への効果が期待できます。
・殺菌効果のあるもの
直接口内炎に効くものではありませんが
口内炎の治りをよくする環境づくりとして
殺菌効果のあるトローチやマウスウォッシュ
うがい薬などが用いられることがあります。
あまり頻繁に使うと
逆に口の中が荒れてしまい
口内炎に対しても余計な刺激に
なってしまうことがあるので
やりすぎないことを心がけてくださいね。
ピンポイントで効かせるにはお薬も選択肢に。
梅干しには他にも
魚と一緒に煮る事で臭みを取り除いたり
クエン酸の効果による疲労回復や
適切な塩分摂取に効果を発揮します。
今では食品の効果、効能は
たくさんの情報に溢れていますが
電気も水道もない
むかしむかしからの生活の知恵
すばらしいですよね。
とはいえ
現代の口内炎の治療にはお薬も上手に使って
より効果的な治し方をしたいものです。
大きな病気が隠れている可能性も
頭の片隅に置きながら
今回の対処法を参考に
自分に合った対処法を見つけてくださいね。