口内炎というと
一般的に赤いできものを思い浮かべます。
黒いできものがあると
ちょっと不安になりますよね?
口内炎と思われるような症状の中で
一番心配しなければならないのが
「悪性黒色腫」という皮膚ガンです。
でも
黒=ガン
ではありません。
ですが自己判断は禁物です。
口内炎に関しては
耳鼻咽喉科が専門の診察科になりますが
悪性腫瘍となると口腔外科が専門になります。
いずれにしても
まずは身近なかかりつけの先生に
相談することが第一歩です。
必要に応じて、適切な医療機関を
紹介してもらうことができます。
定期的に通っている歯医者さんがあるなら
まずはそちらに相談してみるのもいいですね。
この記事では
口の中に黒い点が見られる時に考えられる原因と
悪性黒色腫の特徴について見ていきたいと思います。
口内炎に見える黒い点は血豆かも?黒い点ができる原因はさまざま。
ひとくくりに口内炎と
言ってしまいそうになりますが
口の中に起こる炎症には
他にもさまざまなものがあります。
ほとんどの場合心配する必要のない、
問題のないものが多いですが
原因は多岐にわたります。
防げるものなら防いで
余計な心配をしなくて済むように
したいものですね。
ここでは黒い点が発生する可能性がある
口の中のトラブルについて見ていきます。
[内因性]
体の中からの
刺激によるもののことを言います。
・メラニンの色素沈着
黒の色の元はメラニンという物質です。
日焼けして黒くなるのも
メラミンによるもので
口の中でも年齢が上がるにつれて
メラニンの沈着が起こります。
どこか一点が黒いということではなく
全体的に広がった黒ずみなら
特に心配がないことが多いです。
ですが
ほくろのように一点に
集中して黒ずみがあるものは
良性か悪性かの診断が必要になります。
いずれにせよ検査をするので
まずは取り除いてしまうという選択に
なることが多いようですよ。
・血液ヘモグロビン性色素沈着
とても珍しい病気ではありますが
粘膜に色素沈着が起きるという症状が
特徴となる病気もあります。
アジソン病
ポイツージェガース症候群
といった病気が原因となり
口の中の粘膜に色素沈着が起こるのです。
色素沈着自体は
症状の進行に影響はありませんが
生活に支障かある場合には
取り除くこともあります。
[外因性]
体の外からの刺激によるものの
ことを言います。
・重金属や歯の治療器具による炎症
仕事などで重金属に触れる機会の
多い環境であったり
歯科矯正や入れ歯などの器具など
金属による炎症で黒ずみが
起こることがあります。
長期間不自然な圧迫が続くと
場合によっては
その部分ががんになってしまう
可能性もあるのです。
口の中は髪の毛一本入っても
違和感を感じる繊細な場所。
少しでも違和感を感じたら
我慢せずに歯医者さんを受診しましょう。
・血豆
食事中に頬の裏を噛んでしまったり
硬いもので強く圧迫されるなどは
よくあることですよね。
口の中でも血豆ができることがあります。
初めは色鮮やかだったものが
だんだん黒ずんできて
一週間ほどで治ることが多いです。
ただの血豆であれば問題はありませんが
まれに大きな病気が
隠れている可能性もあります。
血友病や血小板減少症という
血液の病気である可能性もあります。
なかなか治らない場合や
噛んだりぶつけたりといった
明らかな原因がないのに
血豆がよくできるといった時は
早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
口内炎と思ったらがん⁈黒い点が痛くない時は逆に気をつけて。
このように
問題のない症状であることも多い黒い点ですが
痛みもなく静かに進行する
がんである可能性も隠れています。
ここでは特に注意して見て欲しい
口腔がんについて見ていきたいと思います。
口腔がんの中でも
黒い点のようなものが発生し
口内炎のようにも見られるものを
悪性黒色腫といいます。
口の中だけではなく
全身の皮膚に発生する
ほくろのようながんのことを言い
見た目だけではわかりづらく
痛みもないことが多いです。
メラノーマとも呼ばれ
ほくろとの違いは一般的に
以下のように言われています。
[悪性黒色腫の特徴(メラノーマ)]
・黒い点にムラがあり、にじむように広がる
・黒い点の形が短期間で変わる
・膨らみやじゅくじゅくがある
・口腔内の場合歯肉や唇、
ほおの裏側にできることが多い
・40歳以上に多い
[色素性母斑の特徴(ほくろ)]
・円形もしくはいびつな形で
境界線がはっきりしている
・大体15mm前後の大きさで
少し膨らんでいることもある
・口腔内の場合
下顎の歯肉や舌にできることが多い
しかし
限りなく悪性に見える良性
限りなく良性に見える悪性
どちらも存在します。
最終的には生検と言って
実際の炎症部位を切り取って
検査する必要があります。
ほくろに見えるような小さな炎症なので
取る必要があるかないかの判断の前に
とりあえずとってしまうと
いうこともあります。
取り除いたものを調べて悪性なら
他に転移がないか等の
より細かな検査に進みます。
まだまだ現れていない小さながんが
今後発生することを予防するため
追加でさらに大きく切除する処置が
取られることが多くあります。
皮膚がんは
見つけやすいものである一方
非常に進行も転移も早いがんです。
違和感を感じたら
すぐに病院に行きましょう。
何かある時は「なんともない」と思いがち。早めの受診が正解です。
正常性バイアスってご存知でしょうか。
何か良くない可能性が頭に浮かぶと
人間は必然的に
悪いことよりも良いことの方が
起こるだろうと考えがちです。
病気には誰しもなりたくないものですし
告知されることを想像すると
検査することすら躊躇してしまいます。
ですが
どんな病気も早く治療を開始することで
より良い経過が望めます。
ぜひ1日でも早く診察を受けて
しっかり治してくださいね。