急なご不幸事というのは、
誰にでも起こり得る出来事。
血縁関係がない方でも、
生前にお世話になった方であれば、
出席したいと思うのは当然のことです。
お葬式への出席で会社を休む場合、
何日間休むことができるのでしょうか?
故人との続柄によって異なる「忌引き休暇」について、
一般的な基準をご紹介していきます!
忌引きとは?
「忌引き」とは、
親族がなくなった際に、喪に服すこと。
葬儀の準備や出席のために
会社や学校を休むことを、
「忌引き休暇」と言いますが、
近年では、「忌引き」という言葉だけで、
この意を表すようになってきています。
本来の喪に服す期間は、
「喪中」と呼ばれる期間になりますので、
一般的には、一親等で12カ月、
二親等や三親等で6カ月と言われています。
この期間は新年のご挨拶を控えることが、
よく知られていますが、
その他にも海外旅行やパーティー、
家の購入などを慎むことも、本来は含まれます。
忌引き休暇の規程は?
忌引き休暇は、
明確に法律で決められたものではありません。
労働基準法は、
労働者の権利などを定めたものですが、
忌引き休暇の項目はなく、
各会社で作成される就労規則によって、
決められています。
一般的には、以下のいずれかに該当する規定が多いです。
① 出勤日数にカウントされるが、無給
② 出勤日数にカウントされ、なおかつ有給
③ 忌引き休暇の制度がない
ただし、
有給休暇は労働基準法で定められた
労働者の権利ですので、
②や③に該当する場合は、
有休を忌引きに充てることで対応が可能です。
忌引き休暇の日数は?
忌引き休暇の対象は、
一般的に三親等までとなっています。
いとこや、配偶者の甥・姪・祖父母などは、
該当しませんので、
もちろん血縁関係のない方についても、
休暇の取得は認められません。
まずは、親等について見ていきます。
・ 0親等:配偶者
・ 1親等:父母、子
・ 2親等:兄弟姉妹、祖父母、孫
・ 3親等:曾祖父母、直系の叔父(伯父)・叔母(伯母)、
直系の甥・姪、ひ孫
次に、それぞれの忌引き休暇日数です。
上記でご紹介した同じ親等であっても、
休暇日数は以下のように細分化されます。
・ 配偶者:10日
・ 父母 :7日
・ 子 :5日
・ 配偶者の父母:3日
・ 兄弟姉妹:3日
・ 祖父母:3日
・ 配偶者の兄弟姉妹:1日
・ 配偶者の祖父母:1日
・ 孫 :1日
・ 直系の叔父(伯父)・叔母(伯母):1日
・ 直系の甥・姪 :1日
・ ひ孫 :1日
こちらでご紹介した日数は、あくまで一般的な例です。
親等が近い人がなくなった場合は、
自身が喪主と務めることになったり、
率先して喪主の手伝いを行ったりと、
責務が大きくなることが予想されます。
その際は、会社の規程から日数を
追加できることもありますので、
一度会社や上司に相談してみることも、
頭の片隅に置いておきましょう。
日数はいつから数えるの?
こちらも会社の規程によって様々ですが、
基本的には、
次のいずれかから起算することが多いようです。
① 故人が亡くなった日
② 故人が亡くなった日の翌日
ここで疑問が湧いてきませんか?
土日祝日は、休暇日数にカウントされるのでしょうか?
土日祝は、会社が休日として定めている日になりますが、
上記① or ②の起算日から数えることになりますので、
一般的には日数にカウントされます。
また、ご葬儀で遠方へ行かないといけない場合には、
「移動日」というものが出てきます。
例えば北海道から沖縄に
移動しなければならない場合、
往復合わせると丸2日掛かってしまい、
10日忌引きがあったとしても、
8日間しか葬儀等の対応に充てる時間がありません。
この状況から、今回のパターンで言う、
移動の2日については、
忌引き休暇の日数には入らない、
と定める会社が多いです。
しかし、この場合は
移動日を有休に充てる必要が出てきます。
1つ目の項目でご説明した、
忌引きの取り扱いが有給であったとしても、
移動日も、
もれなく有給になることはありませんので、
この点には注意しましょう。
忌引き休暇取得で気を付けたいこと
① できるだけ早く連絡する
→急なことではありますが、
可能な限り早く会社へ連絡を入れましょう。
最初の連絡は電話で、
取り急ぎ状況を伝えることが望ましいです。
葬儀の詳細については、
口頭で間違いがあってはいけませんので、
詳細が決まり次第、
メールやFAXなどで連絡するようにしましょう。
② 可能な範囲で引継ぎをする
→こちらは会社や上司から、
無理に対応を迫られることはないかもしれませんが、
特に長期で休み必要がある場合は、
抱えている業務の状況やアポイントなど、
可能な範囲で伝え、
業務が滞らないようにしましょう。
また、
自身の緊急連絡先を伝えておくことも一つです。
③ 忌引き休暇明けのご挨拶
→長々と状況を話す必要はありませんが、
休みをもらったおかげで、
無事に滞りなくお別れができたことを伝えましょう。
協力してくれた上司や同僚への感謝と、
今後は気持ち新たに仕事に励むことを
伝えることも、社会人としてのマナーです。
また、
お香典をいただいた方がいる場合は、
忌が明けてから香典返しを贈るようにしましょう。
※宗派によって異なりますが、
亡くなった日から30~50日後が忌明けになります
まとめ
忌引きで休める日数は、
法律で定められたものではなく、
各会社の規程によるものです。
上記のご説明からわかったこととして、
原則、多くの会社は三親等までが
忌引き休暇の対象となりますので、
四親等以上の親族や
血縁関係のない知人のご葬儀については、
有休を使うなどして対応することが必要です。
忌引きに伴って
休める日数の最長として考えられるのは、
以下の2つに当てはまる場合
移動日も含めてにはなりますが、
連続「12日間」休むことができる可能性があります。
<条件>
① 配偶者が亡くなったこと(忌引き10日)
② 葬儀が遠方で執り行われること(往復の移動日2日)
※ 移動日は有休を取得
また、会社によって、
申請方法や提出資料も異なりますので、
急なことで慌ててしまわないよう、
気づいたときに規程を確認しておくのも良いでしょう。
この記事が少しでもお役に立ちましたら、幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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