会社から
「厚生年金基金を解散します。」
というお知らせをもらって
???
と
頭の中が疑問だらけになったあなた。
「年金貰えなくなるの?」と
不安になりますよね。
”一時金”や”iDeCo”
なんて聞きなれないワードも出てきて
会社員として遠近や住民税などを
天引きされるシステムの中で過ごしている人間にとっては
わからないことだらけです。
日本は残念ながら
請求は自動的に来るけど
貰えるものは申請しないと貰えない国です。
貰えるお金はきちんと貰いましょう。
この記事では
厚生年金基金の”基金”とは何か
一時金が出る場合と貰う方法についてみていきます。
厚生年金基金ってそもそも何?解散してしまう理由は?
一口に年金と言っても
その仕組みは
建物に見立てると3階構造になっています。
1階は国民年金
2階は厚生年金
3階が厚生年金基金です。
国民年金は
20歳以上なら全ての国民が加入するもので
どんな働き方でも支払うものです。
今は会社員のあなたも
学生時代に振り込み用紙が届いたことがあったなぁと
覚えている方もいるのではないでしょうか?
全ての国民が加入するので
これを1階部分と呼んでいます。
2階部分に当たるのが
厚生年金です。
こちらは会社員として企業で働く方が対象です。
毎月納める金額を会社と社員が折半して
国に収めることで
老後の年金受給額を増やすことができます。
自営業や学生の期間と
会社員の期間が混在する場合は
会社員である期間のみ
この2階部分が存在するのです。
さらに
会社員の中には3階部分が存在する人もいます。
それが厚生年金基金です。
先ほどの厚生年金は
企業とはいえ収める先は国になります。
しかし
この厚生年金基金の納め先は
企業が設立した厚生年金基金の運営元
つまり民間団体になるのです。
追加で積み立てる金額及び
2階部分の厚生年金のうち一部を国から引き受けて
集めたお金を投資などで運用して増やしながら
年金受給者に支払っていきます。
これが
積み立てではなく運用なのが
問題なのです。
当然ながら
資産運用にはリスクがあります。
バブル崩壊以降の不景気によって
厚生年金基金の多くの運用は
うまく回らなくなりました。
年々少なくなる若者の出資するお金をもとに
年々増えていく年金受給者の年金を
支払い続けていることも
理由の一つです。
そのため2013年6月
運用がうまくいかなくなった厚生年金基金の解散や
他の企業年金への移行を促すことを目的とした
厚生年金保険法の改正法案が成立しました。
解散した
厚生年金基金に積み立てられていた資金のうち
運用してもなお残っているものに関しては
一時金として受け取る
企業年金連合会に預け、
予定通り年金に上乗せして受け取る
確定拠出年金に移行して各個人で運用する
といった方法で社員に返還されます。
企業年金連合会は
退職しその会社の厚生年金基金を脱退した人の厚生年金を
まとめて運用する機関
確定拠出型年金は
その3階部分の運用を社員個人で担う
新しい形の運用方法です。
iDeCo(イデコ)と呼ばれるものなどが
これにあたります。
今回の記事で説明する一時金というものは
こうした運用ではなく
現金として今すぐ社員が一括で受け取るものです。
一見すると
現金という確実なもので受け取ることができ
確実性がありそうですが
デメリットもあります。
次は
その一時金を受け取る方法と
そのデメリットについてみていきましょう。
厚生年金基金が解散してしまうデメリット。一時金には税金もかかる。
この厚生年金基金は
2021年時点でわずか5基金を残すのみで
ほとんどの基金はすでに解散しています。
そこで運用されていたお金は
あなたの年金に+αされるはずだった大切なお金です。
これは条件によっては
一時金という形で手元に戻ってくる可能性があります。
まずは
その一時金を受け取る方法についてみていきましょう。
[一時金として受け取る方法]
厚生年金基金が解散する場合には
必ず会社から書類等で説明があります。
また
中途退社する場合も
必ず説明があるはずです。
基本的には
特に希望しない場合は
一時金として受け取ることになる企業が多いですが
新しく確定拠出年金の企業型(企業型DCと呼ばれます)に
移行することもあります。
一時金を選択できる
そしてそういった選択肢を比べた上で
一時金が良いとあなたが判断した場合は
一時金を選んで申請しましょう。
一時金は
手続きの速さなど企業によって異なりますが
最低でも1ヶ月ほどかかることが多いです。
また当然のことですが
厚生年金基金に社員に分配できるほどの
資金が残っていないと
一時金は支払うことができません。
厚生年金基金が破綻している場合は
一時金を受け取ることはできないでしょう。
[一時金で受け取るデメリット]
株式運用も身近ではないという方には
運用という不確実なものよりは
一時金という確実なものが良いと
考えることもあるかと思います。
でも
一時金にも実はデメリットがあるんです。
1.所得税を支払う必要がある
意識していなかったとはいえ
あなたが将来受け取るはずだった
年金の一部である一時金
でも
一時金として受け取るときには所得税がかかるのです。
受け取った年の翌年の2月に
あなた自身で確定申告をして
きちんと納税する必要があるのです。
2.将来の年金受給額が減る
年金として毎月掛ける金額が下がる分けですから
当然将来受け取る年金の受給額は下がってしまいます。
月額で見れば大きな違いはないかもしれませんが
人生100年と言われる現代において
退職してからの人生
毎月の積み重ねは大きなものになります。
年金以外の貯金の額を見直したり
ローンの返済を早めたりなど
長期にわたっての資産計画を
見直す必要が出てくるでしょう。
調べなきゃわからなかった厚生年金基金。メリットとデメリットを見極めて。
非常に複雑でわかりにくく
でも
自分で調べなくては誰も教えてくれない年金のこと
若い方には特に他人事に感じやすいものですが
将来の生活を左右する非常に重要な問題です。
企業によって
厚生年金基金の運用状況や解散後の行方は異なります。
ぜひ
難しいと背中を向けずに
自分にとって最もメリットのある受け取り方法を
考えてくださいね。